看護管理者のコンピテンシー・モデルとは
高い成果・業績を生み出すための看護管理者の行動モデルです。
ただし、 「コンピテンシー」=「行動」という限定的な解釈ではありません。行動を裏付ける思考パターンを含む総合的な能力を指し、行動の意図を重視しています。
「看護管理者のコンピテンシー・モデル」は、望ましい行動特性を項目別、レベル別に表現しているので、目指すべき行動が明示され、客観的評価の尺度として活用することができます。
このモデルを活用して、看護管理者としての実践事例を記載し、事例に基づいた評価をすることで、看護管理者の教育、育成に取り組んでいます。
「看護管理者のコンピテンシー・モデル」の運用には、多様な方法があると思いますが、ここでは、実際に複数の施設が導入している方法について紹介します。各コンピテンシーとそのレベルを基準とし、毎年それに該当する意図、行動があったかについて事例を用いて評価者、被評価者が討議し、その年の評価を決定しています。
このように、事例に基づく自己、他者の継続評価を行うことが、看護管理者としての教育、育成の場となっています。
具体的には、モデルを運用すると
- 事例を用いた実践のレベル判定が可能
- 段階的構造のため次に目指す目標が明確
- 管理実践の共通用語として共有可能
- 看護管理者自身の傾向を把握
が可能になると考えています。
それでは、最初に「看護管理者のコンピテンシー・モデル」の構造を説明します。
看護管理者のコンピテンシー・モデルの構造
コンピテンシーは、6つのクラスターに分かれています。
6つのクラスターの中に16のコンピテンシーが分類されています。
クラスタ―《達成とアクション》
クラスタ―《支援と人的サービス》
クラスタ―《インパクトと影響力》
クラスタ―《マネジメント能力》
クラスタ―《認知力》
クラスター《個人の効果性》