次に、「看護管理者のコンピテンシー・モデル」による看護管理者の評価方法の一例について紹介します。
導入時は、 人によって内容の理解や解釈に差がありますが、事例を通して討議することで徐々に共通理解に近づいていきますので、まずは事例を記載し評価をしてみることが大切です。
一番重要なのは実践していることなので、実際に看護管理者として意図した行動をしていることが大前提です。しかし、この評価に慣れるまでは、過去に実践した行動を振り返り、どんな場面で、何を考えてどう行動したのか、その後結果はどうだったかについて思い出しながら事例記載をします。実際に自分が考え行動したことであるにもかかわらず、言語化し他者に伝わるよう文章にするのは、予想以上に困難に感じる人が多くいます。そこで、「意図を明確にもった成果を上げる行動」というコンピテンシーの要素がもれなく記載しやすいよう、定型化した「事例記載用紙」を活用しています。日々実践したことのなかから、コンピテンシーの内容とレベルに該当する事例を自分自身で記述し、その内容について複数の他者評価を受けること、そのプロセスを毎年継続して実施する運用を推奨しています。
例題
この用紙に、項目に沿って実際の事例を記載し、内容がコンピテンシーの要素を満たしているかについて自己、他者評価を行います。